アクアリウム|コケ取り職人!石巻貝(イシマキガイ)の魅力

こんにちは、ぱんです!
実は昨年の秋、水槽のガラス面がコケだらけになってしまい、イシマキガイをお迎えしました。
紹介は遅れましたが、大活躍かつ見ていて予想以上に楽しい生物です!
イシマキガイについて、飼育するにあたっての注意事項も併せてお伝えしていきたいと思います。

イシマキガイってどんな貝?

漢字で書くと石巻貝。
では、いくつか項目を挙げながら見ていきましょう。

水質・水温

水質については、淡水でも汽水でも生きられるようですが、繁殖可能なのは汽水のみのようです。
(生まれてから貝の形に育つまでは汽水域で過ごすため)

水温については、メダカが問題なく過ごせる水温の範囲内であれば基本的に大丈夫そうです。
比較的メダカより高水温には弱いようなので、30度を超えたり直射日光が全面に当たるような場所に置いたりするのは注意が必要です。
低水温だと活動が鈍くなり食欲が落ちるようですが、20度程度であれば全然問題ないと思います。
元気に食べて動き回っていました。

色・サイズ・形

色については、私自身が実際に見たことのある個体は結構真っ黒な印象です。
ネットで検索して出てくる写真の中には薄い茶色の写真もありますが、個体差なのか、すごく拡大して撮影すると茶色っぽいのか…茶色のイシマキガイがいたらそれはそれで可愛いと思うので見つけてみたい気持ちが湧きます!

サイズについては、約2cm程と言われています。
我が家のイシマキガイはガラス越しに定規を当てた感じだと1.5cm程でした。

表側(貝殻が見える側)の形は、コロンとした丸い感じです。
細長いとか尖りがあるとか、そういった部分はないように見えます。
ただ、淡水ではカルシウムイオンが不足しがちであるため、貝のうずまきのてっぺん(本来尖っている部分)が削れてしまい、白くなっていることが多いです。
我が家のイシマキガイのてっぺんもお迎え当初から白い状態です。

裏側(貝殻の見えない側)ですが、ガラス面に張り付いた状態だとよく見えて観察するのはすごく楽しいです。
「ずっと見ていられる」
そう思ってしまうような、イシマキガイのお食事風景を見られるアングルです。
下記の写真でイシマキガイの口の中に見えている、白い歯舌(しぜつ)というやすり状になっている部位を使い、コケを削り取って食べてくれます。
イシマキガイがいればコケを食べてくれるので、人間の手でコケ掃除をする必要がなく、ガラス面のメンテナンスは正直とても楽になりました!

右下の緑はイシマキガイお食事前のガラス面です。コケがひどかった…。
左側のクリアに見えている部分はイシマキガイお食事後のガラス面です。綺麗ですね。

水合わせ・扱いの注意

結論からいうと、魚と同様、水合わせは行ったほうがようです!
イシマキガイやタニシ等のコケ取り要員の貝たちをお迎えする際に水合わせは不要という説がありますが、今までいた環境と異なる水質・水温に突然放り込むのは少なからず生体に負担がかかると思います。
エビほど神経質にならなくても大丈夫と思いますが、まずは水温を合わせて、その後水質も慣らしていく…という過程を踏んであげてください。

扱い方については、ガラス面に張り付いていることが多いと思いますが、無理やり剥がすと貝殻の中で負傷して弱ってしまう場合があるため注意が必要です。
水替え・掃除の際に少し邪魔なところにいるかもしれないですが、そっとそのままにしてあげてください。
また、ひっくり返ると基本的に自力で戻ることができないため、そっと起こしてあげるとよいです。
ひっくり返ったのを放っておくと、戻ろうと必死にあがいて体力を消耗して弱ってしまうので、見つけたらすぐにレスキューしてあげてください。

エサ

エサは基本的に水槽内に発生したコケです。
水草の表面に生えたコケを食べることはあっても生きた水草自体は食べないため、食害の心配はありません。
体重がそれなりにあるため、水草にうまく乗れず、基本的にガラス面をグルグルしている印象です。

水槽をお引越したばかりの時に、ガラス面のコケが少なくて餓死か脱走の危機を感じ、元の水槽に戻した経験があります。
もし新しく立ち上げたばかりの水槽にイシマキガイを入れる場合はコケがまだ生えていない可能性が高いので、すでに立ち上がっている水槽を念のため残しておきイシマキガイのごはんを確保するのを一つの手段としてもよいかもしれないですね。

個体によるかもしれないですが、昆布はあまり好まないようです。
試しにふやかした出汁昆布を与えたことがありますが、昆布に寄り付く気配はなく、だいぶふやけた頃に表面を軽く一往復したような形跡はありましたがそれっきりでした。
どうにかしてコケを用意してあげないといけないと考えたほうがよさそうです。

イシマキガイの脱走

水槽の中にいる生き物って水槽から出ないような気がしてしまいますが、イシマキガイ平気で陸地に大脱走します。
食べ物がなかったりすると、食べ物を探しに行くつもりで水槽の外に出てしまったりするようです。
以前どこかのブログかサイトで見た記事では、タンスか棚の下からイシマキガイが出てきたと…脱走には本当に気を付けないといけないですね。

いつの間にか水面からひょっこり出ていることがあります。
気付いたらしばらく脱走しないか監視体制に入り、水面下に戻っていくのを見てほっとします。

脱走エピソード

以前、水槽を一度お引越しさせました。
お引越先の水槽にお米計量カップを浮かべ、淵にマスキングテープで固定して水温合わせ・水質合わせをしていたところ、水質合わせの途中でイシマキガイが消えました。
焦って周囲を探すと、すでにお引越先の水槽の中でガラス面を這うイシマキガイの姿が!!!
ほっとしたような、ヒヤッとした瞬間でした。

イシマキガイ飼育におけるデメリット

イシマキガイ、個体によってはガラス面等に卵を産み付けてしまう子がいるようです。
しかも取りにくいようなしっかり硬い卵を…。
淡水の水槽であれば増えることはないはずですが、水槽の景観を悪くするとしてデメリットによく挙げられていますね。
今のところ我が家のイシマキガイが卵を産み付けたことはないですが、もし産み付けたらアップします。

イシマキガイの魅力


より伝わりやすいと思いますので、写真と共に魅力についてお伝えします。
我が家のイシマキガイの日常を撮りためた一部を公開します。

沢山うんちをしながら、かつお食事をしながら、上に移動中のイシマキガイ。
イシマキガイの、向かって左下に点々とある黒っぽいものがうんちですね。
沢山うんちをしながら寝ているイシマキガイ。
昼でも夜でも、日によってばらばらの時間に寝たり起きて食べたりしています。
午前中はずっと寝ていて、午後から起きてコケを食べて動き回るパターンはわりと見かけます。
この日のうんちは緑ですね。
奥の方からメダカの視線を感じます。
睡眠中のイシマキガイ。
寝ているときは顔と体も境目が分からないような、ぎゅっとした状態になるので判断し易いです。
大体が顔が上側にある状態です。時々、顔が斜め上側に向いている日もあります。
このときもまた、少しうんちをしながらの睡眠。
毎回向かって左側にうんちが出ているということは、イシマキガイの肛門は右横にあるのでしょうか。
水槽の角を移動中のイシマキガイ。
意外とスピーディーに移動していることがあり、一瞬目を離した間に全然違う場所にいることもしばしば。
角を通過するときはまっ平らなガラス面の移動の時には見えない縞々の模様が見えます。
脱走しそうでしないイシマキガイ。
しばらくここで寝ていたようで、しばらく経つと触覚を動かしながら水面下へ移動しました。

さいごに

ぶっちゃけ、お迎え当初の理由としては純粋に”お掃除要員”でした。
こんなに地味な見た目なのに、水槽の中を動き回る姿は魅力いっぱいに見えて「イシマキガイのこと勘違いしていた」と内心思いました。
水槽の中にいると黒々としたボディーは予想以上に存在感があるので、むしろ派手かもしれないですね。

食べ物を求めてアグレッシブに動き回る姿も、ひっくり返ると自力で戻れないか弱さも、寝ながら排便する姿も、なんだか可愛げがあるなあと思ってほっこりします。
貝殻から顔がほとんど出なくて、触覚だけひょこひょこと出しているシルエットもすごく可愛らしいですね。
タニシなどよりもコロンとした印象が強いように思います。

食害もなく、エビやメダカを襲うこともなく、パワー系の要素はない生体だと思います。
もしかしたら個体差がある可能性はありますが、コケを食べるために床材に頭だけ埋もれていることはあっても、潜り込んでいる姿は見たことがないため、植えた水草が浮いてきてしまうような被害の心配もなさそうです。

イシマキガイをお迎えしてみて、他の貝も飼育したらそれぞれの魅力があるのかなと興味が湧きました。
いつか違う貝をお迎えする機会があれば、また観察して記事にしたいなと思います。

飼育下でのイシマキガイの寿命は短く、約1年と言われています。
購入時に何歳なのかは不明ですが、できるだけ長く一緒に過ごせたらいいなと思いながら大切に飼育しています。

貝選びに迷っている方の参考になれば幸いです。
イシマキガイ、お茶目で可愛いですよ~!